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2025.11.04[ 中道 翔太 ]
1000万円リノベで絶対に外せない「窓・床・浴室の暖房」

限られた予算で“本当に快適な家”をつくるなら

迷わず「窓」「床」「お風呂」に投資せよ。

「リノベーションをしたいけれど、予算は1000万円くらいまで…」
そう考える方は多いでしょう。

しかし現実には、この金額で家全体を“デザイン重視”で手を入れてしまうと、見た目はきれいでも冬は寒く、夏は暑い、そして光熱費が高い家ができあがってしまうことも少なくありません。

1000万円という予算の中で「本当に暮らしを変えるリノベ」を目指すなら、間取りや外観よりもまず優先すべきは──
“窓”と“蓄熱する床”、そして“お風呂の暖房”です。


1. 窓を制する者が、快適な家を制する。

家の中で、最も熱が逃げる場所は窓です。
冬場に外へ逃げる熱の約6割、夏場に入り込む熱の約7割は、実は“窓”からです。

つまり、壁や屋根よりも先に「窓をどうするか」で快適性が決まる。
これは断熱リノベの鉄則です。

1000万円のリノベ予算であれば、家全体のサッシ交換が難しくても、内窓(二重窓)リノベなら現実的です。

内窓をつけることで、

  • 冬の冷気がシャットアウトされ、室内温度が2〜3℃上昇

  • 結露の発生が激減

  • 外からの騒音も軽減

さらに、国の補助金制度「先進的窓リノベ事業」などを活用すれば、最大200万円前後の補助を受けられるケースもあります。

つまり、“最小投資で最大効果”を得るなら、窓から始めるのが圧倒的にコスパが良いのです。


2. 床には「蓄熱」の考え方を。

次に注目すべきは「床」。
ただフローリングを張り替えるだけでは、見た目は変わっても暮らしの質は上がりません。

冬に底冷えする家の多くは、床下の断熱不足が原因です。
床下に高性能断熱材を入れ、さらに蓄熱性のある素材(厚みのある無垢材など)を選ぶことで、
昼間に太陽や暖房で暖まった熱をゆっくりと蓄え、夜になっても室温が安定します。

たとえば、

  • 南面に大きな断熱窓を設ける

  • そこから入る日射を、蓄熱性の高い床が吸収

  • 夜はその熱がじんわり放出

──という「パッシブな暖かさ」が実現します。

床暖房を入れるよりも電気代を抑えつつ、自然なぬくもりが続く。
これもまた、“暮らしの性能を上げるリノベ”の考え方です。


3. お風呂に“暖房”を入れるだけで、暮らしが変わる。

そして最後に、見落とされがちなのがユニットバスの暖房です。

「リノベでお風呂を新品に入れ替えたけど、冬が寒いまま…」
そんなケースは本当に多い。

実は、ユニットバスの暖房乾燥機を導入するだけで、
ヒートショックのリスクを減らし、入浴時間の快適さが劇的に変わります。

特に高齢者や小さな子どもがいる家庭では、“あたたかいお風呂”が命を守る設備です。

費用は20〜30万円程度ですが、毎日の満足度はリビングのリフォーム以上。
ここにお金をかけるのは、まさに“投資”です。


4. 見た目より「性能」を先に。

リノベを検討する多くの人が、最初にキッチンやクロス、間取り変更に目を向けます。
もちろんそれも大切ですが、デザインは後からでも変えられる。性能は後から変えにくいのです。

1000万円のリノベで“後悔しない家”をつくるなら、
まずこの3点にしっかり予算を割きましょう。

  • 【窓】断熱性と防音性を高めて、快適さを一気に底上げ。

  • 【床】蓄熱素材で、冬も素足で過ごせるぬくもりを。

  • 【お風呂】暖房で、安全で快適な入浴時間を。

この3つを押さえた上で、残りの予算で内装や間取りを整える。
それが、「限られたお金で一番幸福度の高い家をつくる」リノベ戦略です。


5. まとめ ─ 1000万円リノベで「暮らしの質」を変える。

リノベーションとは、見た目を新しくすることではなく、
“暮らしそのものをアップデートする”ことです。

「寒い」「結露」「ヒートショック」「光熱費が高い」──
これらの根本原因を断ち切るのは、窓・床・浴室暖房という“地味だけど最強の3箇所”。

この3つが整えば、毎日が変わります。
朝の冷え込みが穏やかになり、お風呂上がりの寒さがなくなり、暖房の効きが良くなる。

1000万円という予算でも、本当の快適性と幸福度は手に入るのです。

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