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2026.01.20[ 中道 翔太 ]
リノベか新築か?その質問自体が、もう間違っている

【リノベーション or 建て替え・新築】正解は、どちら?

家づくりを考え始めた人が、ほぼ必ず突き当たる問いがあります。

「この家、リノベーションと建て替え、どちらが正解なんだろう?」

多くの人は、インターネットで調べ、SNSを眺め、そして建築会社に相談します。
そして、こう聞きます。

・どちらが自分たちに合っていますか?
・結局、どちらの方が安いんですか?

――ですが、私はこの質問自体がナンセンスだと思っています。

なぜなら、世の中の建築会社のほとんどは、

  • リノベーション専門

  • 新築専門

どちらか一方にしか対応していない会社だからです。


専門会社に「不都合な質問」をしていないか?

少し極端な例を出します。

無添加食品を専門に扱う会社に行って、
こう聞いたらどうでしょう。

「添加物って、身体に悪いんですか?」

その会社は、何と答えるでしょうか。
ほぼ間違いなく、

「もちろんです。だから私たちは無添加にこだわっています」

と答えるはずです。

では逆に、
大量生産・コスト重視の食品メーカーに同じ質問をしたら?

「国が認めた基準内であれば安全です」
「必要以上に気にする必要はありません」

そう答えるでしょう。

どちらが嘘をついているわけでもありません。
立っている場所が違うだけです。


建築業界も、まったく同じ構造

この構造は、建築業界でもまったく同じです。

  • 新築専門の会社に聞けば
    →「リノベは見えないリスクが多い」「結局高くつく」

  • リノベ専門の会社に聞けば
    →「建て替えは壊すだけでお金が消える」「もったいない」

どちらも、その会社のビジネスモデルとしては正しい
ですが、それはあなたの人生にとっての正解とは限りません。

にもかかわらず、多くの人は、

「プロが言うんだから間違いないだろう」

と、そのまま信じてしまいます。

ここに、家づくり最大の落とし穴があります。


「安いか高いか」で判断する人が、後悔する理由

よくある質問のひとつが、

「結局、リノベと新築、どっちが安いんですか?」

この問いも、かなり危険です。

なぜなら、
同じ条件で比較されることが、ほぼ存在しないからです。

例えば、

  • リノベ:見た目はきれいだが断熱・耐震は最低限

  • 新築:高性能・長期優良住宅・補助金対象

この2つを「金額」だけで比べるのは、フェアでしょうか?

逆に、

  • 新築:最低限仕様・ローコスト

  • リノベ:構造補強・断熱フル改修・素材にこだわる

これも同様です。

価格だけを聞く人ほど、条件を見ていない。
そして条件を見ていない人ほど、完成後にこう言います。

「思っていたのと違った」


本当の論点は、そこじゃない

リノベーションか、新築か。
本当に考えるべきなのは、

  • 何年住むつもりなのか

  • どんな暮らしをしたいのか

  • 家に“資産性”を求めるのか

  • それとも“消費”と割り切るのか

こうした人生設計との相性です。

ですが、ここまで踏み込んだ話をしてくれる会社は、驚くほど少ない。

なぜなら、
そこまで話すと「自社の商品が合わない人」が出てくるからです。


建築会社は「正解」を売っているわけではない

ここで、はっきり言います。

ほとんどの建築会社は、
あなたの正解を探しているのではありません。

彼らが売っているのは、

  • 自分たちが得意な工法

  • 自分たちが回しやすい仕事

  • 自分たちが利益を出しやすい選択肢

です。

それ自体が悪いわけではありません。
会社とは、そういうものだからです。

問題は、
それをあなたが「絶対的な正解」だと信じてしまうこと


だから私は、こう考えています

「リノベーション or 建て替え・新築」
この問いに、万人共通の正解はありません。

あるのは、

  • あなたの家の状態

  • あなたの家族構成

  • あなたの将来設計

  • あなたの価値観

これらを踏まえた上での、その人にとっての最適解だけです。

そして、その最適解は、
一社の意見だけでは、絶対に見えてこない。


リノベが向いている家、向いていない家

まず最初に、はっきりさせておきたいことがあります。

すべての家が、リノベーションに向いているわけではありません。

これは、リノベ専門会社でも、なかなか口にしたがらない事実です。

リノベが「向いている家」

リノベーションが本領を発揮するのは、次のようなケースです。

  • 構造体(基礎・柱・梁)が健全

  • 雨漏り・白蟻被害が限定的、もしくは修復可能

  • 間取り変更の自由度が高い

  • 土地条件が良く、建て替え制限が厳しい

こうした家は、「骨がいい」状態です。
人で言えば、内臓と骨格が健康な状態。

見た目が古くても、
中身さえしっかりしていれば、暮らしは大きく変えられます。


リノベが「向いていない家」

逆に、注意が必要なのは以下です。

  • 基礎に大きなクラックや不同沈下がある

  • 構造計算が成立しない

  • 雨漏りが長期間放置されていた

  • 増改築を繰り返し、構造が破綻している

こうした家は、
直すほどにお金が吸い込まれていく可能性があります。

にもかかわらず、

「壊して捨てるなんて、もったいないですよ」

と背中を押されるケースも少なくありません。

ですが本当に“もったいない”のは、
不安を抱えたまま住み続けることではないでしょうか。


建て替えを選ぶべき、決定的な条件

建て替え=悪
リノベ=正義

そんな単純な話ではありません。

むしろ、迷わず建て替えを選ぶべき条件も存在します。

  • 構造的な欠陥が致命的

  • 法規制が大きく変わり、再生が難しい

  • 耐震・断熱を“最低限”ではなく“本気”で求めたい

  • 今後40〜50年住む前提

これらに当てはまるなら、
無理なリノベより、新築の方がトータルで合理的な場合が多い。

にもかかわらず、

「リノベの方が安いですよ」
「思い出を残せますよ」

という言葉だけで決めてしまうと、
後から性能・光熱費・メンテナンスで差が出ます。


プロがあまり語らない「本当の比較軸」

ここが、最も重要なポイントです。

多くの比較は、

  • 初期費用

  • 見た目

  • 坪単価

に集中します。

しかし、本当に見るべきはそこではありません。

比較すべきは「人生コスト」

  • 30年後、40年後のメンテナンス費

  • 光熱費の差

  • 住み替え・売却時の価値

  • 心理的な安心感

これらを含めた人生全体のコストです。

例えば、
最初は500万円安く見えたリノベが、
20年でそれ以上の差を生むことも珍しくありません。

逆に、
性能を割り切った新築が、
将来の負担になるケースもあります。


「どちらが正しいか」を聞く人ほど、失敗する

少し厳しい言い方をします。

「結局どっちが正解なんですか?」

この質問を繰り返す人ほど、
家づくりで後悔しやすい傾向があります。

なぜなら、
その問いは思考停止のサインだからです。

本来は、

  • 自分たちはどう生きたいのか

  • 何を優先し、何を捨てるのか

そこから逆算して、
「だから今回はリノベ」「だから今回は建て替え」

と決まるもの。

答えは、外にはありません。


中立な視点を持つために、最低限やるべきこと

もし、これから家づくりを考えるなら、
最低限、次のことはやってください。

  • 新築専門・リノベ専門、両方に話を聞く

  • メリットだけでなく、デメリットを先に聞く

  • 「できない理由」を説明できるかを見る

  • 即決を迫る会社からは、一度距離を置く

特に重要なのは、
「それはできません」と言える会社かどうか

売りたい会社ほど、
何でも「できます」と言います。

本当に信用できるのは、
やらない選択肢も提示できる会社です。


最後に

リノベーションか、新築か。
その問い自体が、間違っているわけではありません。

ただし、

「誰に聞くか」
「何を基準に比べるか」

これを間違えると、
家づくりは一気に苦い経験になります。

正解は、
商品でも、工法でも、価格表の中にもありません。

あなたの人生の中にあります。

その視点を持てたとき、
初めて「リノベ or 新築」という二択は、
正しい問いに変わるのです。

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