

先週のブログでは、
「家とは何か」「日本とイギリスの住宅価値の違い」について
少し大きな視点でお話ししました。
今回はそこから一歩進んで、
では、どうすれば日本でも“時間とともに価値が育つ家”をつくれるのか
というお話をしたいと思います。
日本では、
「新築が一番きれいで、あとは劣化していくもの」
というイメージを持たれがちです。
でも本当に、
家は完成した瞬間がピークなのでしょうか。
私たちは、
家には“育つ家”と“消費される家”がある
と考えています。
これまで多くの住まいを見てきて、
年月を経ても愛されている家には、
いくつかの共通点があることに気づきました。
無垢の木、漆喰、土、石。
自然素材は、
傷や色の変化を「味」として受け止めてくれます。
新築のときよりも、
10年後、20年後のほうが
落ち着いた表情になる素材。
それは、
暮らしの時間をちゃんと受け止めてくれる素材です。

ぎゅうぎゅうに詰め込まれた間取りよりも、
・少し何もない壁
・用途を決めすぎない場所
・家具で変化できる余地
こうした「余白」がある家は、
暮らしの変化に柔軟に寄り添ってくれます。
家族の成長とともに、
使い方が変わっていくことを
前提にしているからです。

完璧につくり込みすぎない。
これは、
決して手を抜くという意味ではありません。
住みながら、
棚を付けたり、
植物を迎えたり、
家具を変えたり。
住む人が関われる余地がある家は、
自然と愛着が育ちます。

流行のデザインは、
どうしても時間とともに色あせます。
一方で、
・なぜか落ち着く
・理由は分からないけれど好き
そんな感覚で選ばれたものは、
不思議と長くそばに残ります。
家づくりも同じです。
「正解そう」ではなく、
「自分たちらしいかどうか」。
この視点が、
家の未来を大きく変えていきます。

もし今、
・何を基準に選べばいいか分からない
・情報が多すぎて疲れてしまった
そんな状態にあるなら、
少し立ち止まって、
こう問いかけてみてください。
「この家は、10年後も好きでいられるだろうか?」
性能や数字の話は、
そのあとで大丈夫です。

家は、
暮らしを入れる器のようなもの。
器が強すぎても、
主張しすぎても、
中身が落ち着きません。
そっと寄り添い、
時間とともに深まっていく。
そんな家を、
これからも丁寧につくっていきたいと
私たちは考えています。