

「また建築費が上がるらしい」
「建築材料が手に入らない」
「ホームセンターにすらない?」
最近、家づくりを考えている方から、そんな声をよく聞きます。
2026年春以降、住宅業界では再び空気感が変わりました。
特に現場で強く感じるのが、
『材料がまた上がるかもしれない』
という不安です。
実際に現在、断熱材や塩ビ配管、ビニールクロス、接着剤など、石油化学系の建材では値上げや納期遅延が発生しています。
中には、受注制限や一時停止が出たメーカーもある。
住宅会社側も、以前のように“いつでも普通に材料が入る時代”ではなくなってきています。
ニュースでは原油価格の上昇。
中東情勢の不安。
物流コストの高騰。
そして、住宅業界では“ナフサショック”という言葉が出始めました。
正直、住宅会社として現場に立っていると、空気感が少し変わってきています。
「建てたいけど、今は待った方がいいですか?」
そんな相談も増えています。
ですが、実際に現場レベルで見ていると、少し違う景色が見えてきます。
今回のナフサショック。
もちろん影響はあります。
ただし、
「住宅全部が一気に高くなる」
という単純な話ではありません。
むしろ、今の状況だからこそ見えてきたことがあります。
それは、
本当に価格変動を受けやすい素材と、意外と安定している素材が明確に分かれている
ということです。
そして、その違いを知ることで、家づくりの考え方が変わります。
今回は、住宅業界のリアルな視点で、
「ナフサショックでもそこまで影響を受けていない素材」
についてお話しします。
ナフサとは、原油からつくられる石油化学原料のこと。
普段の生活では聞き慣れない言葉ですが、実は住宅業界ではかなり重要な存在です。
なぜなら、住宅に使われる多くの工業製品が、このナフサを原料にしているからです。
例えば、
ビニールクロス
樹脂サッシ
発泡断熱材
接着剤
防水材
シーリング
塩ビ配管
クッションフロア
こういったものは、石油化学製品の影響を受けやすい。
つまり、ナフサ価格が上がると、住宅価格にも波及しやすくなる。
これが今回のショックの背景です。
ただし、ここで勘違いしてはいけません。
住宅は「全部が石油製品」ではありません。
実は家というものは、昔から自然素材との組み合わせでできています。
木。
土。
石。
鉄。
ガラス。
つまり、影響を受ける素材もあれば、比較的安定している素材もある。
ここが、今の住宅業界で非常に重要な視点です。
2026年5月現在、住宅業界では特に『石油由来』の建材が大きく動いています。
現場レベルでも、価格だけではなく、納期や供給不安の話がかなり増えています。
実際に現在、
発泡系断熱材で40〜50%規模の値上げ
一部断熱材メーカーで受注停止
ビニールクロス・床材の値上げ発表
塩ビ配管の追加値上げ
シンナー・接着剤不足
などが起きています。
これは単なる“建築費高騰”ではなく、住宅に使われる石油化学製品そのものが不安定になっている状況です。
まず最初に、影響が強いものを整理します。
住宅業界で今、価格や納期が不安定になりやすいのは、
「石油依存が強い素材」
です。
代表的なものは以下。
吹付断熱。
発泡ウレタン。
押出法ポリスチレン。
断熱性能は高いですが、原料は樹脂です。
つまり石油由来。
価格が上がると、じわじわ建築費に影響します。
壁紙の多くは塩化ビニル。
量産型住宅ではかなり多く使われています。
一見すると安価ですが、原料価格が動くと影響を受けやすい。
断熱性能は高い。
ただし、樹脂不足になると納期問題が起きやすい。
今後は価格よりも供給面が気になるところです。
家づくりでは見えない場所ほど多く使われています。
外壁。
屋根。
床。
設備。
こういった裏方材料ほど、実は影響が出やすい。
ここからが今回の本題です。
住宅業界で現場を見ていると、
「実はそこまで大きく動いていない素材」
があります。
そして、それらには共通点があります。
それは、
自然に近い素材
ということ。
今回のナフサショックの中で、比較的安定している素材として最初に挙げられるのが木材です。
もちろん木材も全く価格変動がないわけではありません。
輸入材は為替や物流、海外需給の影響を受けます。
ですが、国産材は比較的落ち着いています。
特に、地域で流通している木材は輸送距離も短く、海外相場の影響を受けにくい。
つまり、住宅価格が不安定な時代においても、読みやすい素材の一つと言えます。
住宅業界では近年、工業製品の価格変動が激しくなっています。
その中で、木という素材の価値が改めて見直されています。
単に『自然素材だから』ではありません。
地域の山から供給され、長く使われ、修繕もしやすい。
さらに、時間が経っても価値が落ちにくい。
これは今後の家づくりで大きな意味を持ちます。
今回、住宅業界の中で静かに注目されているのがセルロースファイバーです。
実際、2026年現在の住宅業界では、発泡系断熱材の値上げがかなり大きくなっています。
ネオマフォーム。
スタイロフォーム。
カネライトフォーム。
こういった石油由来の断熱材では、40%前後の価格改定も出始めています。
さらに一部では受注停止や納期不安まで出ている。
その一方で、セルロースファイバーは比較的安定しています。
なぜか。
理由はシンプルです。
主原料が新聞紙などの古紙だから。
つまり、石油依存度が低い。
今回のナフサショックは、『石油由来の建材』ほど直撃を受けています。
ですが、セルロースファイバーは根本の構造が違う。
もちろん、運送費や施工費、人件費の影響はあります。
ですが、断熱材そのものの原料高騰が小さいため、発泡系断熱材ほどの急激な値上げにはなっていません。
ここはかなり大きな違いです。
最近では、住宅会社側でも、
『今後はセルロースファイバーの方が安定するかもしれない』
という見方も増えています。
さらにセルロースファイバーは、単純な断熱性能だけではありません。
調湿性能
防音性能
結露リスク低減
木造住宅との相性
など、日本の住環境に合いやすい特徴があります。
特に湿気の多い日本では、“湿度との付き合い方”がかなり重要。
その意味でも、セルロースファイバーは今の時代に合った断熱材と言えます。
最近では、価格面だけでなく、『住み心地』の面から採用されるケースも増えています。
つまりセルロースファイバーは、単なる自然素材系断熱材ではなく、
『価格変動にも比較的強く、日本の気候にも合う断熱材』
として再評価され始めています。
今回、断熱材の中でも非常に注目される存在があります。
それがセルロースファイバーです。
断熱材というと、多くの方が発泡ウレタンや樹脂系断熱材を思い浮かべます。
ですが、実際には断熱材にも大きな違いがあります。
セルロースファイバーは、新聞紙などの古紙を再利用した断熱材。
つまり、主原料が石油ではありません。
ここが非常に重要です。
今回のナフサショックでは、石油由来の断熱材ほど大きな価格変動が起きています。
発泡系断熱材は、原料価格の上昇を受けやすく、供給面でも不安定になりやすい。
一方で、セルロースファイバーは石油依存が低いため、比較的価格が安定しています。
もちろん、運送費や施工費、人件費の影響はあります。
ですが、断熱材そのものの原料が大きく高騰しているわけではありません。
これは家づくりにおいて非常に大きな差になります。
さらにセルロースファイバーは、断熱性能だけでなく、調湿性能や防音性能も持っています。
日本の湿気の多い気候において、湿度をコントロールする力は非常に重要。
単純な断熱性能だけではなく、暮らしやすさに直結する素材でもあります。
最近では、自然素材住宅や木の家との相性の良さから、再評価されるケースも増えています。
つまり、セルロースファイバーは単なる断熱材ではなく、
『日本の住環境に合った断熱材』
という見方もできます。
今回の中で、比較的安定している代表格。
木材。
もちろん、輸入材は物流や為替の影響を受けます。
ですが、国産材は比較的落ち着いています。
特に、
杉
桧
地域材
などは、ウッドショック時のような急激な乱高下は起きていません。
むしろ、今の住宅業界では「木の安定感」が見直されています。
最近、意外と再評価されているのが無垢材。
無垢フローリングは、人工加工が少ない。
つまり、石油化学製品に比べて影響が小さい。
塩ビ系フロアは価格変動が起きやすいですが、無垢材は比較的読みやすい。
もちろん樹種によって差はあります。
ですが、全体的に見ると、天然素材の方が安定しているケースが多い。
漆喰。
珪藻土。
土壁。
これらは非常に面白い存在です。
昔ながらの素材ですが、実は今の時代に強い。
理由はシンプル。
石油依存が低いから。
左官材は、土や石灰をベースにしています。
つまり、原油価格の影響を受けにくい。
さらに、調湿性能や空気感にも優れる。
ただのデザインではなく、暮らしの質にもつながります。
タイルも比較的安定しています。
もちろん焼成時の燃料コストはあります。
ですが、ナフサ直撃ではない。
そのため、急激な価格変動は起こりにくい。
特に外壁タイルや床タイルは、長期耐久性にも優れています。
ガルバリウム鋼板。
鉄。
アルミ。
金属は別の相場要因で動きます。
ですが、今回のナフサショックとは別軸。
つまり、石油化学製品ほどの影響ではありません。
ここで一つ考えてほしいことがあります。
多くの人は、
「どれだけ安く建てるか」
を基準にします。
ですが、住宅は30年、40年、50年と住むもの。
その中で、
修繕しやすいか
劣化しにくいか
空気が心地いいか
経年変化を楽しめるか
こういった視点も非常に大切です。
価格が安い素材は、短期的には魅力的です。
ですが、メンテナンス周期が短かったり、交換前提になっていたりする。
それは本当に、長く住む家に向いているのでしょうか。
ここから後半では、
「なぜ今、自然素材が見直されているのか」
そして、
「日本の風土と素材の関係」
について深く掘り下げます。
住宅価格の話ではなく、家づくりの本質に近づく話です。
家づくりの現場にいると、
「今どの材料が高いですか?」
という質問を受けます。
もちろん、その答えは大切です。
ですが、本当はもっと重要な問いがあります。
それは、
「何を基準に家を選ぶべきか」
ということ。
今回のナフサショックは、単なる価格高騰ではありません。
むしろ、家づくりの考え方そのものを見直すタイミングなのかもしれません。
現代住宅では、多くの素材が工業化されています。
大量生産。
均一品質。
施工スピード。
これらは大きなメリットです。
ですが、その裏側には、
「石油依存」
があります。
例えば、
樹脂
接着剤
合成素材
ビニール製品
これらは便利です。
ただし、原料価格が変わると、住宅価格にダイレクトに影響します。
つまり、便利さの代償として、価格変動リスクを抱えている。
ここで重要なのは、自然素材を『昔ながらの家』として捉えないことです。
今の時代、自然素材は感覚的なものではありません。
むしろ、価格変動に強く、長期視点で合理的な素材とも言えます。
今回のナフサショックを見ても分かるように、石油由来の素材は外部要因に影響されやすい。
ですが、木や土、紙由来の素材は、比較的安定している。
これは単なる偶然ではありません。
自然に近い素材ほど、供給構造がシンプルで、原料が地域に近い。
つまり、社会情勢に振り回されにくい。
今後、住宅価格がさらに不安定になる可能性を考えると、自然素材を選ぶことは感覚ではなく、非常に合理的な判断とも言えます。
自然素材というと、
「昔ながら」
「ナチュラル系」
「おしゃれ」
という印象を持つ人もいます。
ですが、実際はもっと合理的です。
なぜなら、
地域の気候に合わせて長年使われてきた素材
だから。
日本は湿気が多い国です。
夏は高温多湿。
冬は乾燥。
さらに、台風や地震もある。
つまり、日本の家は非常に厳しい環境にさらされています。
そんな中で昔から使われてきた素材には理由があります。
日本の家づくりにおいて、木は単なる構造材ではありません。
空気を整え、湿度を調整し、暮らしの質に影響する素材です。
特に日本は湿気の多い国。
閉じ込める家より、呼吸する家の方が快適になりやすい。
そのため、木と相性の良い断熱材や仕上げ材が重要になります。
ここで相性が良いのがセルロースファイバー。
木と紙。
どちらも自然由来。
湿度との付き合い方が似ています。
だから、木造住宅との相性が良い。
単に断熱性能だけではなく、家全体としての空気感をつくる役割があります。
これは数値では見えにくい部分ですが、住み始めると違いを感じやすいポイントでもあります。
木材の良さは、単なるデザインではありません。
湿度を吸ったり吐いたりする。
つまり、呼吸する素材。
これは日本の気候にとても相性がいい。
湿気が多い国で、閉じ込めるだけの住宅は苦しくなります。
だから昔の日本家屋には、風が通る仕組みがありました。
そして木が空気を調整していた。
今でも、この考え方は非常に重要です。
左官材も同じです。
漆喰や珪藻土は、単なる仕上げ材ではありません。
調湿。
消臭。
空気の質。
暮らしの快適性に関わります。
つまり、見た目だけではなく、住環境を整えている。
これが自然素材の面白さです。
現代住宅は、短いサイクルで交換する素材が増えています。
ですが、石やタイルは違います。
劣化しにくい。
時間に強い。
つまり、長く使う前提の素材。
実際、古い建物を見ると、タイルや石は残っています。
素材の寿命が長い。
これは長期的なコストにもつながります。
最近は、住宅性能が注目されています。
断熱。
気密。
省エネ。
もちろん重要です。
ですが、性能だけでは語れない部分があります。
例えば、
空気感
素材感
経年変化
落ち着き
こういったもの。
実際に住み始めると、数値だけでは測れない心地よさがあります。
今回の出来事で、住宅業界ではかなり大きな変化が起きています。
以前までは、
『高性能な工業製品をどれだけ組み合わせるか』
が重視されていました。
ですが今は、
『その素材は何から作られているのか』
まで見られる時代になってきています。
例えば同じ断熱材でも、石油由来なのか、自然由来なのかで、価格変動リスクが変わる。
同じ床材でも、塩ビ系なのか、無垢材なのかで将来の安定性が変わる。
つまり、住宅性能だけではなく、“素材の背景”まで重要になっている。
これは今後の家づくりでかなり大きな価値観の変化になると思います。
特に現在は、断熱材不足や価格高騰のニュースも増えており、住宅会社側でも素材選びを見直す動きが出ています。
価格が上がる。
材料が不足する。
これはもちろん問題です。
ですが、その一方で、
「どんな素材が本当に強いのか」
が見えてきました。
石油に依存しすぎた家づくりは、変動に弱い。
一方で、自然素材を中心にした家づくりは、意外と安定している。
これは偶然ではありません。
昔の日本の家は、
木
土
紙
石
でできていました。
決して高性能住宅ではありません。
ですが、風土に合っていた。
湿気に対応し、四季に合わせて暮らす。
それが日本の家でした。
今の住宅は進化しています。
断熱性能も上がった。
設備も快適になった。
ですが、便利さを追い求める中で、素材との向き合い方が少し変わったのかもしれません。
価格が安い家でしょうか。
性能が高い家でしょうか。
もちろん、それも大切です。
ですが、
「時間が経っても価値が残る家」
という視点も必要です。
素材が古びるのではなく、味になる。
交換前提ではなく、育っていく。
そういう家は、長く愛されます。
今回の出来事は、単なる値上げの話ではありません。
むしろ、
「何を使って家をつくるべきか」
を考えるタイミングです。
住宅価格だけを見ていると、不安になります。
ですが、素材を見ると、違う景色が見えてきます。
価格変動に強い。
長持ちする。
住み心地がいい。
修繕しやすい。
そういった素材は、実は昔から日本にあったものです。
今回のナフサショックで、影響を受けにくい素材が見えてきました。
それは偶然ではありません。
木。
土。
石。
タイル。
自然に近い素材ほど、価格変動に強く、長く使える。
そして、それらは昔から日本で使われてきた素材でもあります。
便利さや効率だけで考える家づくりではなく、
「何を使ってつくるか」
という視点。
実はそれこそが、これからの家づくりに必要な考え方なのかもしれません。
そして、
日本の風土に合った家づくりとは、
最新設備だけではなく、
自然素材を上手く取り入れながら、四季と暮らす家。