知ることから。
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- #想い
本日、アイスタイル全メンバーと
建築デザイナーの安藤さんと
いつもお世話になっている
西粟倉村の森の学校さんを訪ねました。
私たちの家づくりでは、
床材や、天井材、他内装材に
森の学校さんで製材された
無垢材を使用しています。
西粟倉村では、村をあげて
「百年の森林(もり)構想」を掲げています。
皆様ご存知だったでしょうか。
日本の国土面積の約7割は森林です。
先進国の中では、フィンランドに次いで
2番目に森林率が高く、
世界でも有数の森林国と言えます。
昭和20年代、日本は戦後の復興等のため
木材需要が急増しました。
しかし、自然災害や、戦時中の乱伐などの
影響で供給が追い付かず、木材の不足が続きました。
こうした状況に対応すべく、
政府は「拡大造林政策」を打ち出しました。
これは、明治期に造成された広葉樹の中心の林を、
木材により適した杉、桧などの針葉樹中心の林へと
変化させようと、人工的に自然に介入する置き換える政策でした。
しかし、木材輸入の自由化などにより
昭和30年には国内の木材自給率が90%以上だったものが、
今では2割までに落ちています。
皆さんの各地域には、
先人たちが
「自分たちの利益よりも未来の人たちのために」と
一度も休むことなく、世代を超えて、
手間暇かけて、育て上げられた品質の高い木たちが
身近に存在しています。
その事実を知ることなく、
外材ばかりが普及し、
丁寧に育て上げられた木たちは
行き場をなくし、
使用されることとすると、
バイオマスの燃料として燃やされる始末。
需要がなければ、林業は衰退し、
放置され荒廃した森では、
木々の根元から土壌が流れやすく
山崩れを起こしやすくなります。
また、CO2の吸収源としても、
成長期の若い樹木が
二酸化炭素をどんどん吸い込み大きくなるのに対し、
成熟した森や手入れされない荒れた人工林では
吸収能力が低下します。
また、伐って、使って、植えることは
花粉発生を抑制する対策にもなります。
「100年の森林構想」では、
先人たちが手掛けてきた
この尊い働きが、廃れることのないよう、
未来を担う人たちに
今、身近にある森林の良さ、
自然環境が本来もつ素晴らしさ、
日本人が本来大切にしていた
美しさと、利他の心を
伝えることができるように思います。
改めて、今ある環境に感謝を感じる
とても良い機会となりました。
この記事を書いた人