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「リノベーション」という言葉を耳にする機会が増えた昨今。中古住宅市場が活性化し、住宅購入後に自分らしい住まいを実現する手段として、多くの人がリノベーションに注目しています。しかし、その「リノベ」にも実は大きな違いがあることをご存知でしょうか?
見た目をきれいに整えるだけの“なんちゃってリノベ”と、構造から暮らしを変える“本物のリノベ”。今回は後者にフォーカスを当て、「フルリノベーション」や「大規模工事」を提案できる会社こそが、住まい手の未来を真剣に考えている本物の会社であるという視点から、リノベの本質について深掘りしていきます。
多くのリフォーム会社がまず提案するのは、壁紙の張り替えやフローリングの交換、内窓の設置、カバー工法による窓まわりの改善といった、比較的短期間でできる工事です。確かに、これらは見た目を美しくし、多少の快適性アップにはつながります。
しかし、こうした工事では、根本的な断熱性や空気の質、住宅性能の向上までは期待できません。とくに築年数の経過した住宅は、壁の中に断熱材が入っていなかったり、床下の通気性が悪かったりと、目に見えない部分に多くの問題を抱えているケースが少なくないのです。
そうした住宅に表層的なリノベだけを施しても、「夏は暑く、冬は寒い」という根本的な問題は解決しません。
フルリノベーションとは、間取り変更を含むスケルトン状態からの再構築を意味します。古い内装や設備をすべて取り払い、骨組みだけにしてから断熱材の再施工や耐震補強を行い、最新の設備を取り入れつつ、ライフスタイルに合わせた間取りを新たに作り直す。それこそが、真のリノベーションです。
このような工事には手間と時間がかかりますが、住宅の性能は格段に向上します。断熱性能が高まることで冷暖房効率が改善され、光熱費が削減されるうえ、アレルギーやヒートショックなどの健康リスクも減少します。さらに、空気の流れがよくなることで、家全体の“空気感”が一変するのです。
具体的には、古いアルミサッシを樹脂サッシに交換し、壁の中には高性能グラスウールや発泡ウレタンなどの断熱材を充填。床下にも断熱パネルを敷き詰め、天井裏には遮熱材を入れる。こうした施工により、家全体がまるで魔法瓶のように外気から守られ、温度が一定に保たれるようになります。
こうした大規模な工事を提案するには、高度な設計力と施工力、そして何より「お客様の暮らしを本当に良くしたい」という想いが必要です。逆に、これらを持たない会社は、「表面だけきれいにしておきましょう」と安易な提案に逃げがちです。
もちろん、小さな工事が必要ないというわけではありません。しかし、それだけで「リノベ完了」とする姿勢には疑問が残ります。大規模なリノベを提案できる会社は、それだけの経験と実績を持ち、住まいの根本から改善する力を備えています。
さらに、手間のかかる工事をあえて提案する姿勢には、「この家を本当に良くしたい」「このお客様の暮らしを心地よいものにしたい」という本気の思いが表れています。そういった姿勢を持つ会社こそ、本当に信頼できるパートナーだと言えるでしょう。
たとえばあるご家庭では、築40年の一戸建てをフルリノベーションすることを決意。壁や天井、床をすべて解体し、最新の断熱仕様へとアップデートしました。断熱等級は5に相当するレベルまで引き上げられ、冬でも室温が18度を下回らない快適な空間に生まれ変わりました。
また、キッチンを中心とした回遊動線の間取りに変更し、家族の会話が自然と生まれる設計に。照明計画や収納の見直しも行い、以前よりずっと「住みやすい家」になったと、ご家族は語っていました。
住まいは、ただの器ではありません。家族が笑い合い、心身を癒し、未来を描くための大切な場所です。その舞台を、妥協のない空間に仕立て直すことこそがリノベーションの醍醐味です。
たとえば、家の中心に回遊型のキッチンを設けて家族の動線を再設計する。天井を高くして開放感を生み出す。断熱材を入れ替えて、どの季節も快適な室温を保つ。これらはすべて、大規模リノベーションだからこそ実現できる“暮らしのアップデート”です。
さらに、構造的な補強を施すことで、長く安心して暮らせる住まいになります。耐震性を高めることで、大切な家族を災害から守ることができます。安全性と快適性、両方を叶える工事こそが、真のリノベなのです。
住まいの価値を根本から高めるリノベーションは、単なる工事ではなく、新たな暮らしへの“再出発”でもあります。本気の提案をしてくれる会社と出会い、手間を惜しまないリノベを実現することで、家は見違えるほど快適な空間へと生まれ変わります。
とはいえ、すべてのご家庭にフルリノベーションが必要というわけではありません。ライフスタイルやご予算に応じて、内装リフレッシュや部分的な断熱改善といった、さまざまな選択肢があるのもまた事実です。
大切なのは、「何のためにリノベをするのか」という目的を明確にし、それに応じた最適な方法を選ぶこと。そして、信頼できるパートナーと一緒に、その道を進んでいくことです。
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