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発展にともなった退廃

便利で豊かになっていくことは

良いことだと思いますが、

 

その反面、

身近にある尊いものが

失われていっていることもあると思います。

 

食品添加物の普及と不妊患者の増加、

夜も煌々と照らされた室内照明と

認知症患者の増加、

夏場、汗をかくことのないキンキンに冷えた室内と

熱中症にかかる子どもたちの増加、

 

などがその例でもありますが。

 

住宅に国産材の木が使用されなくなったことも

自然環境へ、負の影響を与えています。

 

現在、国土のうち、

森林が占める割合は、約67%で、

3分の2もの割合を占めております。

 

 

昭和20年~30年代、

日本では、戦後の復興等のため、

木材需要が急増しました。

しかし戦争中の乱伐による森林の荒廃や

自然災害等の理由で供給が充分に追い付かず、

木材が不足し価格が高騰を続けていました。

 

このため、政府は、

造林を急速に行うため

「拡大造林政策」を実施しました。

 

こうして、

成長が比較的早く、

経済的に価値の高い針葉樹の人口林が

つくられていきました。

 

昭和30年代、木材の需要を賄うべく

木材輸入の自由化がスタートし、

昭和39年に木材輸入は

全面自由化にとなりました。

国産材が高騰する一方、外材は国産材に比べて安く、

一度にまとまった量を供給できるため重要が高まり、

輸入量が年々増加していきました。

昭和55年頃をピークに国産材の価値は落ち続け、

昭和30年には木材自給率が9割以上だったものが

今では2割程度まで低下している現状です。

 

国産材の価値が下落したことで

日本の林業には

大きな問題がもたらされました。

 

林業経営者の意欲が低下し、

若者は都市部へと

雇用を求めるようになりました。

 

これらにより林業が衰退し、

それに伴い後継者の不足、

森林の荒廃などの問題が生まれました。

 

荒廃した森林は台風の被害を受けたり、

大雨によって土砂災害などを

起こす可能性を高めます。

 

地球温暖化にへも影響をきたしています。

 

私たちの家づくりでは

床材や天井材、壁の仕上げなどに

姫路から半径100km圏内のエリアで

生まれ育った地域産材を使用しています。

「森とつくり手の顔が見える木材」、

兵庫、岡山、鳥取の県境にある

西粟倉村の山で生まれ育った木です。

 

 

西粟倉村は2008年に

「百年の森林構想」を掲げました。

 

約50年前、「子や孫のために」と

木を植えた先人の想いを大切にして、

立派な百年の森林に育て上げていくため、

あと50年、村ぐるみで

挑戦を続けようと決意しました。

 

未来の子や子孫のため、

世代を超えて思いを紡ぐ

利他心の取り組みです。

3月下旬は、

きれいな森林にしか咲かないといわれている

ミツマタの花が咲き誇り、

 

 

水も綺麗であることから

7月には蛍も姿を見せる

西粟倉村の森林です。

 

 

仕上げ工程には女性も携わっており、

“赤ちゃんがハイハイしてもケガをしないように”

 

 

“女性の履いたストッキングが伝線しないように”と、

女性ならではの繊細さで

冷え込む冬の工場の中でも

手袋を着用せず肌ざわりを確かめながら

仕上げられていきます。

 

 

日本の気候風土で育った国産材は

建材としても風土に合っており、

耐久性が高く、

 

外材のように

長い時間をかけて船で運ばれる必要がないため

防腐処理を施す必要がありません。

もちろん輸入の際の消毒も必要としません。

 

そのため、

健康に対するリスクもなく

長きに渡り安全で

暮らしには安心がもたらされます。

 

 

 

ひとつのことを選択するのに

元々先人が大切にしていた

無私の精神、利他心についても

今一度見直すときがきていると思います。

 

 

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