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「シロアリについて3」

ゴールデンウィークの暇つぶし
「シロアリについて3」

いよいよ3回目に突入 。
今日は更に長文なので興味のある方と暇な方は、めげずに読んで下さい。

現在、ほとんどの建築業者のシロアリに対する考え方は 防ぐのではなくて殺すという対策が一般的です。

 

 

先日も書きましたが、自然のサイクルから考えるとシロアリは大切な役割を担っています。

 

 

人間の都合でシロアリを殺し続けていれば 生態系にも必ずや影響が出る筈ですし、1回の塗布でシロアリに対して5年以上 効果が続く農薬(劇薬)が、そこに住む人間にとっても良いはずはありません。

 

 

しかし乍ら、温暖化が進んでイエシロアリが北上した事とアメリカカンザイシロアリの問題が発生して、どうしても何らかのシロアリ対策が必要になりました。

 

 

色々な方法を試しました ヒバ油、沖縄の月桃、柿渋、炭など、とにかく身体に影響のないものを探しました。

 

 

その時ふと気がついたことは、自然素材を使ったシロアリ対策は駆除(殺してしまう)ではなく、シロアリが来なくなるように「防ぐ」発想である事です。

 

 

この方法であれば、環境への影響もほとんど無くて健康被害もありません。

そして最後に行き着いたのは、ホウ酸による防蟻対策です。

 

 

ホウ酸は塩類で目薬にも使用されている他、色々な野菜類にもホウ素として含まれていて人間には影響ありません。

取り過ぎれば腎臓で濾過され 尿と一緒に体外に排出されます。

 

 

ところが、ゴキブリの仲間であるシロアリは腎臓がないのでホウ酸を食べると濾過出来ないので、体に溜まって死んでしまいます。

ホウ酸団子を置くとゴキブリが急にいなくなるのと同様、本能による忌避作用が働きシロアリも近づかなるわけです。

 

 

さらにホウ酸は無機なので 、結晶となって付着すると揮発する事は無く、半永久的に効果が続きますので、まさに理想の防蟻材といえます。

 

 

古くから アメリカのハワイ州やフロリダ州などの温暖な地域で ホウ酸によるシロアリ対策が義務ずけられていて、最近では温暖化の影響からアメリカの9割の州で義務化されています。

 

 

更にホウ酸には抗菌作用がある為、木材の防腐効果も高くなるばかりか、防カビ効果も高まり、木材に浸透して結晶化する事で 防火性能も格段に高まり、しかも施工するの人にも安全です。

 

 

こんなに素晴らしいものが何故 広がらないかと言うと、業者が儲からないからです。

 

 

農薬系のシロアリ駆除剤の寿命は約5年で、5年ごとに保障延長の為シロアリ駆除剤を撒く必要に迫られます。

その時の平均 費用は 25万〜30万円で、それだけでも利益があるのに、改修や改築、増築なんかを勧められたりします。

業者にとっては定期的に利益が見込めて、その他の工事まで発生する可能性が出る旨味の高い仕事になります。

 

 

ホウ酸では新築時に施工すれば、基本的に再施工する必要は無いので、業者に嫌われ なかなか普及しないのが現状です。
だからこそ、エンドユーザーの皆さんに声をあげてもらいたいと思います。
そうする事で普及が早まると思います。

この記事を書いた人

安藤 友純

安藤 友治
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